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ウォール街のアルゴリズム戦争

strong>Kindleストア, スコット・パタースン

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によって スコット・パタースン
4.1 5つ星のうち9 人の読者
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著者スコット・パタースンの日本語版への序文から(抜粋) 二〇一二年に本書が米国とヨーロッパで出版されたとき、この話を信じる者は少なかった。何百年もの間、営業を続けてきた権威あるニューヨーク証券取引所のような公開市場に対して、ちっぽけな企業が影響力を行使できるものだろうか? 批評家たちは、混雑する立会場上で大振りな手信号で合図する慌ただしいトレーダーがいた古い取引所が既に存在しないことに気づいていなかった。新しい市場は、ニューヨークの忙しい大通りから遠く離れたニュージャージー州郊外にある巨大なサーバー・ファームからなっていた。 コンピュータが主導する市場は、こうした理由から全く新たなレベルの開示基準を求められる。規制当局は、素早く追いつかなければならず、取引所と高速トレーダーの仕組みを理解しなくてはならない。さもないと、このゲームは続き、定年後のために働く一般投資家が損をすることになる。 一つ明らかなのは世界が前進するということであり、取引所は電子化され、コンピュータ主導になるということだ。ロマンチックなイメージではあっても立会場で手を振るトレーダーの日々に回帰することはない。この変化には優れた面もある。以前より安く取引ができ、全般的により効率的だ。 だが、恐ろしく賢いプログラマーによって設計された非常に複雑なコンピュータ・アルゴリズムに制御され、取引所は遥かに不透明でもある。
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本書は、2014年10月に刊行され論争を巻き起こした、米国の高頻度トレーダー(HFT)を描いたマイケル・ルイス著「フラッシュ・ボーイズ」の続編(別編)ともいえるものである。「フラッシュ・ボーイズ」がプレーヤーであるHFTに焦点をあてたものであるのに対し、本書はその舞台となった取引所(の進化)が主役である。卓越した一人のコンピュータ・オタク、ジョシュア・レヴィンが「コンピュータを通して世界を変える」という目的のために、「ウオッチャー(ナスダックの取引記録を取り込めるシステム)」、「モンスターキー(時間より価格優先という規則を利用した発注システム)」、さらにはマーケット・メーカーを迂回できる画期的電子プール「アイランド」を創造したことで、取引所間の絶え間なき技術革新/競争が引き起こされ、やがてはNYSE(ニューヨーク証券取引所)やナスダックという金融の中心に位置する取引所が変革にさらされ(NYSEはアーキペラゴを、ナスダックはアイランドを飲み込んだ)、さらには新種の取引形態やプレーヤー(HFT)も産まれるに至ったという実話である。すなわち、フェディリティやバンガードのような大口投資家(ホエール)が、彼らの注文に先回りして小銭を稼ごうとする新種のハンター探索アルゴリズムから逃れるべく、NYSEやナスダックのようなリットプール(照らされた取引所)からダークプールに避難したが、そこもまたアルゴロボが占領するようになっていったのだ。例えば、2009年時点でHFTは米国株全体の取引の4分の3を支配しており、また、2012年までに、ダークプールと金融機関の店内取引が全取引高の40%を占めるようになったとのことである。さらに、ホエール・ハンティングだけでなく、「「競合するコンピュータ・アルゴリズム間のグローバル競争」」で「市場は「いろんな種類のピラニア」が高速・狂乱状態で互いを食い合う湖へと進化した」(p.101)のである。取引の高速化・高頻度化は、株価のデシマル化(8分の1刻みから1セント刻みに)やコロケーション(取引所のマッチング・エンジンの隣に自社のコンピュータを設置)、進んだ人工知能システムの活用等により促進された。また、レヴィンが生んだメイカー・テイカー制度(取引をメイク=もたらした側が手数料を受け取り、受けた側が手数料を払う)は、取引量が多ければ多いほど手数料も増えるため、取引自体で損をしても取引量を増やすことで手数料で稼ぐという異常な行動をとる高頻度トレーダーさえも出現させた。また、Reg NMS(すべての取引所で最良の値段がついている注文を優先するという規則)の施行により、効果的にメイク手数料を享受するための複雑な注文形式も発達した(0+スキャルピング戦略)。この結果、注文の小口化(2004年:726株→2009年:268株@NYSE)・株の平均保有期間の短縮化(1945年:4か月→2011年:22秒)が加速し、また90%の発注が取り消されるようになったとのことである(幻の流動性)。こうした激烈な進化は当然副作用も生む。2010年のフラッシュ・クラッシュ(ダウ平均が数分間で約9%=1,000ドル下落した後、急反発)、2012年のコンピュータの故障によるBATS取引所やフェイスブックの株式公開の大失態、ナイトキャピタル・グループの高速電子取引システムの狂いにともなう4億5千万ドルの損失計上等は、その副作用の一部である。さらには、自己強化的フィードバック・ループが世界的な金融市場の暴落をもたらすという「スプラッシュ・クラッシュ」の可能性についても取りざたされているのだ(p.452)、このため、一般投資家は市場で何が起きているかを把握できず、市場や規制当局に対する信頼を失っていった。一人のギークが金融に革新をもたらしたという点で、クリストファー・スタイナー著「アルゴリズムが世界を征服する」で描かれたクリストファー・ピーターフィーの物語に似た構図である(驚いたことに、ピーターフィーは、本書の終章近くに、自らもその起爆に手を貸した革命の行きついた現状に対する批判者として登場する)。米国がどの分野につけ日本の数歩先を行き、したがってある意味で日本の近未来の姿を提示しているとすれば、本書で描かれた世界も当然日本の近未来図の一つを描いているといえよう。逆に言えば日本が米国の姿をなぞらないとすれば、それはもちろん米国の失敗からいち早く学んだというポジティブな側面もあるであろうが、革新的なアイディアが実行に移せないという国民性・規制等のネガティブな面も考えてみる必要があると思う(日本でシリコンバレーが生まれない理由の一端)。もちろん、行き過ぎた進化は前述のように数々の副作用を産むが、東証・大証(JPX)をはじめとした、少数の官僚的独占企業が金融取引を牛耳っているという異様な光景は、米国では、金融機関内の店内取引を含めると、70以上の場所で金融取引が行われているという競争状態と比べて、彼我の差を痛感せざるを得ない。米国の取引所モデルを過度なフラグメンテーション(市場分裂)と非難するのは簡単だが、では今後、日米どちらのビジネス環境が、世界をリードする進化したビジネスモデルを生み出すのであろうか?リスクをとって先行するものには失敗はつきものであり、それを大仰に批判する追随者は未来をつくれないのである。日本でノーベル経済学賞(スウェーデン国立銀行賞)受賞者が一人もいないという事実は、この辺の事情(金融/経済で革新的なアイディアを提示できない)を物語っていると思われる。終章近くでは、光ファイバーが地球を覆い尽くし、ビッグデータに基づきナノ秒もしくはピコ秒で執行される金融取引が、世界のどこかで起こったプログラムの誤作動・誤操作により、たちまちのうちに世界的な金融危機「フラッシュ・スプラッシュ」に行きつく世界観を提示する。実際、まさに金融危機は、サブプライム危機時に語られたよりさらにcontagious(伝染しやすく)になっているのである。このような世界において、規制当局の唱えるマクロ・プルーデンス政策が、果たして機能しうるのか疑問である。本書に描かれたような高速取引業者に対抗するためには、本書の最後に登場する「スター」という人工知能プログラムのように、マクロ/ミクロのファンダメンタルズに基づいた長期(中期?)投資しかないのであろうか。おりしも人工知能分野では、ディープラーニングという画期的な機械学習の手法が生み出され、指数関数的な人工知能の発達がもたらされる結果、2045年頃には「シンギュラリティ(技術的特異点)」が到来すると言われている。人工知能が人間のファンドマネージャーに、本書で駆逐されたマーケット・メーカーと同じ運命をもたらすのであろうか。最後に、巻末に掲載された解説は不要であろう。特に、明らかに本書の内容に関して(筆者個人の意見と断ってはいるが)利害関係者となる東証の職員の解説(解説1)を載せている出版社/編集者のセンスには、疑問を抱く。東証(JPX)は明らかに高頻度取引業者を優遇しており、また自社の独占的地位を脅かすいかなる改革についても否定的であるからである。冒頭に紹介した「フラッシュ・ボーイズ」の巻末に掲載されたFACTA発行人の阿部重夫氏の、東証の姿勢に批判的な意見に対する意趣返しのように思われる。したがって、読者にはぜひ「フラッシュ・ボーイズ」に掲載されたこの解説(「日本のフラッシュ・ボーイズ」)も併せて読まれることをお勧めする。

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